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定時を二時間ほど周りやっと仕事に一段落して周りを見渡すと
もう佐藤の姿はなく、
しまったと思いながら深く溜め息をつき
椅子の背もたれに身を委ねていると
「お疲れ」
急に頭上から帰ったと思っていた佐藤の声が降ってきた。
俺は慌てて身体を起こし佐藤を見るといつもと変わらない。
ホッとしながら話しかけようとしたが、
俺より先に佐藤が口を開く。
「ちょっと飲みに行こうか」
多分、
愛子の話だろうと思い、
俺は迷うことなく佐藤の誘いに乗ることにした。
会社を出る時に咲穂には電話で佐藤と軽く飲みに行ってくると連絡を入れる。
こんなことは初めてで咲穂も少し驚いている様子だったが
「分かった」
と短く返ってきた。
会社を出て俺は迷うことなく神崎の店に行こうとしたが
「愛子が居るかもしれないから」
と言われ違う店に行くことになった。
その時、
初めて咲穂を迎えに行く前に
愛子があの店に居たことを知らされた。
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