1580人が本棚に入れています
本棚に追加
どこをどう歩いたかなんて覚えてないが、
ただ幸せそうなカップルばかり妙に目で追ってしまっていたことは覚えている。
家に帰ろうか……。
ふと思ったが、
やっぱり帰りにくく、
結局私の帰る場所はユキの居るマンションしかない気がした。
仕方なくマンションへ帰ることにしたが途中、
通り雨に遇い近くのコンビニに逃げ込んだ。
私の他にもコンビニに逃げ込んできた人たちが居て、
コンビニはごった返しになっていた。
とりあえず濡れた顔と服をハンカチで拭き、
私は雨が止むのを待つことにした。
雨を見ながら、
せっかくお洒落したのに濡れて散々な感じになってしまった服を悲しくなってきた。
そしてあからさまに迷惑そうな顔をする店員に居づらくなり、
私は仕方なくまだ雨が降る店の外へと出た。
まだ止みきらぬ雨の中、
微かに吹く風が濡れた服や私の体を冷やしてゆく。
最初のコメントを投稿しよう!