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そして眠気に誘われもう一度、
意識を手放しかけたとき雨音に引き戻された。
俺は咲穂が傘を持っていないことに気づき、
勢いよく起き上がると鍵だけを掴んで部屋を飛び出した。
エレベーターに乗っている間も車から放り出すように咲穂を降ろし、
置き去りにしてしまった自分を責める。
地下駐車場まで下りようとしたが、
うっかり部屋の鍵しか持ってきていないことに気づき、
いぇはに取りに戻ろうかとも思ったが時間の無駄だと思い
タクシーを拾うことにした。
そして一階でエレベーターを下りエントランスを走り抜け外に出ようとした瞬間、
視界の端に膝を抱え震える咲穂の姿をとらえた。
俺は声を掛けることができず咲穂にゆっくりと近づく。
――まだ俺には気づかず、
外を眺めたままの咲穂は雨に濡れ、
小さく縮こまりながら微かに震えていた。
その姿があまりにも痛々しく感じ、
彼女をこんな姿にした自分を責める。
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