戸惑い

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ベッドに寝かせると寒くないように肩までしっかりと布団をかけてやる。 濡れた服を脱がせたおかげか、 さっきよりは震えは治まったような気がした。 でも額は熱く、 熱は思いのほか高そうだった。 俺は一旦、 寝室を出ると足早で脱衣室に行き、 棚から頭を冷やすためのタオルを数枚取るとキッチンに行く。 ただ生憎、 水を入れるものがなく直接シンクに水を張り そこに氷を大量に入れるとタオルを浸す。 そして冷たさに指先の痺れを感じながらタオルを緩めに絞り、 咲穂の居る寝室へと戻る。 寝室に戻り、 ベッドの側に歩み寄ると咲穂は嫌な汗を掻き、 辛そうに息を荒くさせていた。 「咲穂……」 辛そうに顔をしかめる咲穂の額に冷たいタオルを乗せると一瞬、 その冷たさに身を震わせるが、 すぐに気持ち良さそうにその表情は緩む。
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