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いくら否定しようとしても……すればするほど私の鼓動を速まらせ、
そして顔を熱くする。
「そんなはずないもの……」
一生懸命、
自分に言い聞かせるように言い、
私は残りのアイスコーヒーを一気に飲み干した。
「帰ろう……」
勢いよく立ち上がり店を出たが店を出た途端、
私は思わず足を止めてしまう。
――帰るってどこに?
どうしよう……。
今さっきユキに車から下ろされたばかりでマンションになんて帰れない。
一瞬、
考え込んでしまうが不意に脳裏に容子の顔が横切る。
私は携帯を出すと容子にかけようと番号を出したが、
私は発信ボタンを押すこともできず、
そのままカバンに仕舞う。
だって容子は結婚間近で多分、
今は婚約者の今井さんと過ごしてるはずで、
私とは違い窓の外側に人間。
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