意識

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ふとした瞬間に感じる視線、 そしてその視線の先を追うとそこにはもちろん咲穂がいて俺を見ている。 でも俺と目が合うとすぐに反らし、 なんか用があるのかと思い尋ねても「なんでもない」 と言う。 いつからだろう――記憶を辿ってみるがいまいちピンとこない。 あの雨に打たれ咲穂が熱を出し寝込んでいたときは確かにおかしかったが、 誰でも風邪を引くと心寂しくなるもの。 だから嬉しくは感じたが、 深くは考えてはなかったが、 もしかしたらあの日からかもしれないと思ったりもする。 咲穂が俺を見つめる目に熱を帯びているように感じるのは俺がそう望んでいるせいだろうか。 気になるけど……、 聞きたいけど……、 聞けないもどかしい気持ちが渦巻いている。 夜―。 いつものようにテレビを見終わり、 俺が仕事をしようと立つが咲穂は動く様子がない。 「なんか面白いの入ったっけ?」
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