意識

15/17
前へ
/17ページ
次へ
ずっとこのままで……、 毎日こうして眠りにつきたい――なんて思ってしまうけど言えない。 私がユキのことを好きだってバレてしまうから……。 今のままの関係でいい――。 もし私の気持ちがばれて変に避けられてしまったら多分、 私は立ち直れないかもしれない。 それくらい私の中で急激な変化が起こっていた。 朝―。 私はユキの腕の中で目を覚ました。 あまりに心地よくて起きるのが億劫になってしまったが、 そんなわけにもいかずユキの腕の中から渋々、 すり抜けるように出る。 一瞬、 ユキが微かに反応し、 起きてしまったのではないかと冷や冷やしたが、 またすぐに寝息をたてだした。 自分から仕向けたくせに、 このタイミングで起きられたら恥ずかしくて堪らないなんて滑稽(こっけい)だ。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

930人が本棚に入れています
本棚に追加