意識

17/17
前へ
/17ページ
次へ
私はまだ朝だというのに すでに活発に脈打ちだす鼓動と火照る頬を気にしながら 慌てて会社にいく用意をした。 すごく不思議。 ユキのことを自分の中で好きだと認めて、 まだ数日だというのに私の気持ちは一気に加速する。 そして初めて誰かに甘えたいって思ってしまう私に気づく。 昔からあまり恋愛に関してはいまいち熱しきれなかった私。 でもそれなりに好きな人はいて人並みに恋愛は経験してきたつもりだ。 ただ最近は良平とのこともあり、 私は少し恋愛に対し臆病になっていた。 その上、 年齢的にも今から付き合うにはどうしてもついて回る“結婚”の二文字。 それが余計に私の気持ちにブレーキをかけ、 恋愛から遠のいていた時にユキとの事故の様な結婚。 ちょうど良かったのかもしれないと最近は思うようになっていた。 出会いはどうにしろ、 いつの間にか私はユキを好きになり、 そして初めて甘えたいと感じられた相手に出会えた。 でも私たちの関係は“契約”で繋がれ、 気持ちがつながっているわけではない。 もし私の気持ちが一方通行でも……、 それでもいいから側に居たいって思ってしまった。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

930人が本棚に入れています
本棚に追加