暴走

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片付けも終わり リビングのソファーに深く腰をおろしボーっと天井を仰ぎ見ていると お風呂上がりのユキが戻ってきた。 「お風呂気持ちよかった? ビールでも飲む?」 私は勢いよく立ちあがると 足早に冷蔵庫の方に向かいながらユキに聞く。 日頃、 こんなこと聞いたりしないのに無駄に話しかけてしまう。 何か話してないと落ち着かない。 私が冷蔵庫を開け自分の分と二本ビールを手にしたが 「いや、 今日はもう寝るから」 ユキがそう言って私の後ろを通り過ぎ そのまま寝室へと消えてしまった。 私に対するぎこちなさは感じないものの、 やっぱりユキの様子がおかしい。 こんなこと初めてで私は手にしたビールをそのまま冷蔵庫に戻すと、 冷蔵庫に背もたれ暫くその場を動けなかった。 もしかしたら起きているかなと期待して、 風呂から上がり寝室に行くとユキはすでに眠っていた。
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