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「ごめん! つい……」
これではまるでユキばかり責めているようにとられても仕方ない私の口調。
こんなつもりではなかったのにと反省した。
「いいよ。
俺も充分悪いんだし。
それに途中で
佐藤の気持ちに薄々気づいていたクセに
気づかないフリしてたからな」
落ち込む私にユキは苦笑いを溢し、
自らの罪を認めた。
ユキだってわざとじゃないし、
それにこれは単に出会うタイミングが悪かっただけの事。
「咲穂、
一つだけ気をつけてくれ」
急にユキの顔つきが変わり、
声色まで重いものとなっていった。
私は反射的に背筋をピンと伸ばし姿勢を正し手を膝にやる。
「もしかしたら
愛子が何か吹き込んできたり、
変な行動に出てくるかもしれないけど
俺の言葉だけを信じて欲しい。
言ったように
今の愛子は何をするか分からないんだ」
心配そうに私を見つめながらユキは強い口調で訴える。
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