信じる気持ち

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真剣に怒る俺をからかうように笑ってきた。 反省をするどころか、 全く悪びれた様子もない相変わらずの愛子に腹が立ってくる。 ある意味、 昔よりもタチが悪くなっているように思える。 前は二人で居る時は我儘で 俺を振り回し好き勝手言っていたが、 それ以外の時は別人のようにアッサリとしていた。 それなのに今の愛子はそんなことお構いなしで ズケズケと俺たちの間に入ってきて 邪魔しようとしているようにさえ感じてしまう。 「お前な―っ」 呆れと苛立ちを帯びた声で言う俺に やっぱり愛子は気にする様子はなく 『ねぇ、 近いうちにゆっくり会いたいな。 ――前みたいにさ……』 マイペースに話を切り替え、 耳を疑うようなことを切り出してきた。 あまりのことに一瞬、 頭が真っ白になった。 元々、 愛子は掴めない所はあったが これほどまでとは思っていなかった。
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