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朝が来て昨日の事を思い出し、
少し恥ずかしくなった。
やっぱり自分をさらけ出すのは苦手な俺。
咲穂はいつもと変わらない様子で
昨日の事が無かったかのようにさえ感じてしまったが、
それが逆に救われ俺も普通に接することができた。
俺たちはご飯を食べ終わると、
これからのことを初めて話し合った。
早く俺の両親に会いたいという咲穂。
でも俺は先に咲穂の家に正式に挨拶することで
半ば強引に話を纏めた。
咲穂は渋々了承してはくれたが、
その顔からして納得しきれていないんだな、
と感じられた。
話を覆されないように俺は素早く
違う話題をふり話をすり替える。
でも咲穂は何か思い立ったように立ち上がり
「ちょっと家に行ってくる」
宣言するように俺に言うと慌てて出かける準備をしだした。
どうやら俺には俺の事情があるように、
咲穂にも咲穂の事情があるようで、
慌ただしく着替え出て行く咲穂を俺は仕方なく見送った。
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