信じる気持ち

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耳に残る最後の愛子の言葉 ――俺はボタンを押したまましばらく携帯を眺める。 はっきり言って嫌な予感しかしない愛子の言動に 色々と考えが頭を駆け巡る。 咲穂にこの事を言うべきか、 言わない方が良いのか。 心配は掛けたくないけど、 もう隠し事はしたくない。 俺の中で想いがグラグラと揺れ葛藤する。       * 帰り道。 もう少しで着くと連絡しようと電話したが、 繋がらない。 あまり家に居てユキが電話をしている姿は見たことのなく珍しいなと思う。 もしかして私があまりに遅くて偶然、 私にかけている?  なんて自分の都合の良いように解釈してみたりしながら掛け直してみたが、 やっぱりユキの電話は話し中のままで、 私は諦め家路を急いだ。 マンションに着き、 部屋のドアを開けると 「ごめーん、 遅くなっちゃった」 思わず謝りながら私はユキが居るリビングへと足を進める。
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