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ドアを開けた瞬間にテレビの音はするし、
人の気配はするのにユキからの返事はない。
不思議に思いながらリビングのドアを開けると、
電気も点けずに薄暗い部屋でソファーに座りボーっとしているユキの姿が
すぐに目に飛び込んできた。
「ユキ?」
電気を点けながらユキに声をかけると、
ユキは過剰なほど私の声に反応し軽く飛び上がった。
「おかえり。
意外と遅かったんだな」
今飛び上がっていたのに振り返り私を見たときにはもう普通で、
慌てる様子もなく私に笑いかけてきた。
「うん、
何だか珍しく話しこんじゃった。
ユキ、
何かあった?」
答えながらユキの方に歩み寄ると、
やっぱりどこか様子がおかしい気がして尋ねてみた。
「や、
うん……」
ユキは一旦、
否定するような素振りを見せるが戸惑いを見せ言葉を濁らす。
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