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「ユキは?
……
ユキは何て答えたの?」
疑っている訳じゃない。
ただ、
不安なだけ。
私より長い付き合いのある二人の関係に
嫉妬しているのかもしれない。
ユキの手が伸び、
私の頬を包むように触れる。
「何でそんな風に聞く。
会うはずがないだろ?
お前がいるのに……」
悲しげに眉を潜め微かに唇を震わせるユキに
質問する言葉が間違いだと……、
言ってはいけないことを言ってしまったんだと、
すぐに気づいた。
「ごめん……」
謝りながら首元に抱きつく私をユキも強く抱き締め返してくれた。
信じてるけど好きだから不安にもなるし、
弱くもなる。
自分がこんなに疑い深い人間だって初めて知った。
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