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同じようなといっても愛子さんとはちょっと違う。
良平に裏切られ別れた後、
私は容子と共にコンパに行きまくり新しい出会いを求め寂しさを埋めようとした。
でもそんな気持ちで行っても虚しいだけで、
寂しさなんて埋まらなかったし、
好きだと思える人にも出会わなかった。
それに自分だけではなく、
同じように相手を傷つけるんだと知った。
自分たちは半分、
分かっててヤケになって行っているからいいが、
相手からしたらいい迷惑だ。
それに気づいた私たちはコンパに行くのを止め、
二人だけで飲みに行くようになった。
――今となっては苦いけど懐かしい思い出の一つ。
「何て顔しているんだ。
愛子とは会うつもりはないから。
咲穂が嫌なら
携帯のデータだって消すし……」
つい昔を思い出し黙り込んでいる私を見て
勘違いしたユキが苦笑いを浮かべる。
でもユキに言われてやっぱり疑問に思う
――なんでユキは何年も愛子さんの番号を残しておいたんだろう、
て。
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