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「まあ、
そうだけど。
でも時間じゃないと思うの」
それはユキと知り合い共に過ごして感じたこと。
前は知り合ってすぐに結婚してしまう友達や後輩を見て不思議に思ったり、
内心呆れたりしていたところがあった。
でも実際、
自分もそうなり考えが一八〇度変わってしまった。
それくらいユキとの出会いは私を変えてくれたのだ。
「何か変わったわね。
各務さんと一緒に居るようになって」
急にお母さんが染々とした口調で言いながら
嬉しそうに私を見てきた。
――変わった?
お母さんの言う“変わった”の意味が分からず、
私は不思議そうに首を傾げる。
「あ、
勿論良い意味でだから。
家に居た時はフラフラして
地に足が着いていなかった感じがしてたのに、
何だか少し離れてただけなのに
しっかりした様な気がする。
それにさっき脱いだ靴を普通に揃えてた。
前は脱いだら脱ぎっぱなしだったのに……」
私が驚いた顔で反応すると、
お母さんは含み笑い浮かべる。
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