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「あー、
もう止め止め!
勝手な憶測だけで深く考えないで食べよ」
急に場の空気を変えるように容子が声を上げ、
仕切りだす。
勝手な憶測
――確かに容子の言うとおりだ。
ユキも愛子さんが私に何か吹き込んでくるかも、
と言っていたことを思い出す。
まさか本当に現実になるとは思っていなかった上、
あの愛子さんの変わりように動揺したのかもしれない。
そのせいで気持ちが弱くなり
気持ちがざわついてしまったのだと反省しつつ、
気を取り直して食べることにした。
*
今日は何となく仕事にやる気が起こらない。
多分、
今晩は咲穂が容子さんとご飯で早く帰っても居ないから。
そしてやっぱり愛子の事が気になっているからだと思う。
咲穂との結婚を知ってから
佐藤は嘘のように前と変わらず接してくるようになった。
やっぱり愛子の事が大きく影響していたのだと確信できた。
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