1098人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は呆れと同時に脱力感に似た疲れを感じながら
「咲穂が待ってるから」
それだけ言って切ってやろうかと思った。
『嘘ばっかり。
今日、
咲ちゃんは友達とご飯を食べに行ってるんでしょ?』
でも俺の指がボタンに触れにかかった時、
愛子の口から信じられない言葉が飛び出してきた。
俺は自分の耳を疑い、
そして驚きのあまりすぐに反応することができない。
何で今日、
咲穂が友達とご飯を食べに行っていることを
愛子が知っている
まるですべてを愛子に知り尽くされているようで、
一瞬背中に冷たいものを感じた。
「ほら当った。
ね、
行こうよ。
ユキも一人で寂しいでしょ?」
嬉しそうに笑いながら尚も俺を誘ってくる。
最初のコメントを投稿しよう!