気持ちのカタチ

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本当?  咄嗟に聞き返しそうになったが、 我に返り止まり 「ふーん、 そうだったんだ」 心とは裏腹に私の口から出てきたのは可愛げがない言葉。 こんな自分でも嫌だな、 と思うけど幾つになっても素直にはなれないもの。 もしかしたら昔の方がもっと自分に素直だったかもしれない。 ストレートに気持ちをぶつけ合えたあの頃が少し懐かしく、 そして羨ましくなってしまう今日この頃。 いつからだろう……。 傷つくことを恐れ、 そうやって意地を張って自分を守り固めるようになったのは。 あぁ……、 良平の事があってからだ。 ふと脳裏に横切る苦い思い出に眉間にシワが寄る。 「だから、 そんなに心配しなくても 佐藤は大丈夫だって」 誤解をしたユキが心配そうに私の顔を覗き込んできた。 本当は違うことを考えていたのに、 ユキが勘違いしたことをいいことに私はそれに便乗することにした。
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