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私にもトラウマがあるから
愛子さんの本当の気持ちに気づいたのかもしれない。
「うん、
分かった。
ユキがそう言うんなら……」
そう思いながら私はユキの言葉に相槌(あいづち)を打った。
そんな私にユキは安堵の笑みを見せると納得したように頷く。
「よし！
じゃあ、
他人の事ばかり気にしてないで
俺たちの事を気にしよう」
気合いを入れるように、
気持ちを切り替えるように
ユキは急に大きな声でまるで宣言するかのように言うと
勢いよく私に覆いかぶさってきた。
――非常識にも私の胸は高鳴ってしまった。
今さっきまで佐藤さんの事を心配していたくせに
ユキの言葉をこんなにも胸が高鳴る。
愛子さんのことで、
いつの間にか話が逸れ、
気味になっていた私たちの事。
こんな風に正面切って宣言するように言われると照れてしまう。
でも私は嬉しくて素直にユキを受け入れた。
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