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――…
―…
あれから数週間後。
今日は咲穂の友人の容子さんの結婚式で、
朝から慌ただしかった。
「咲穂、
そろそろ出ないと遅刻するぞ。
式の前に容子さんにも会いたいんだろ?」
出発の時間を十分以上、
過ぎているにも関わらず、
咲穂は寝室に籠りっきりで中から出てこない。
さっきから何度声を掛けたことだろうか……。
「分かってる!
でもピアスが決まらないの」
「別にピアスくらい
なんだっていいだろ?
今日の主役は咲穂じゃなくて
容子さんなんだから」
ピアスごときで遅刻しそうになる咲穂に厭きれ、
仕方なく寝室に居る咲穂の様子を見に行くと、
ベッドの上に持っているだけのピアスを広げ
半泣き状態の咲穂の姿。
予想以上の慌てぶりに驚き、
呆れるしかなかった。
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