気持ちのカタチ

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そこには確かに俺の名前が載っていて、 その隣には咲穂の名前。 そう、 容子さんは俺たちを夫婦として招待してくれたのだ。 最初は咲穂だけのつもりだったらしいが容子さんが気を利かせ、 この招待状を手渡してくれたらしい。 「なんか恥ずかしいね……」 招待状に並ぶ二人の名前を見て咲穂がはにかむ。 初めての夫婦としての公の場の招待が 容子さんの式だなんて思ってもいなかった。 これで容子さんとの共通の友人に俺とのことを知られてしまう。 本当は咲穂の両親に挨拶を済ませ、 きちんとしてからの方が良いと思っていたが、 当の咲穂が喜んでいるから良いということにしておこう。 俺の隣で友人との久しぶりの再会を喜び、 そして俺との事を冷やかされ恥ずかしそうに笑う咲穂。 騒ぐ女の集団は苦手だが、 咲穂の友人のせいかな?  不思議と嫌ではなく、 しっかり愛想笑いまでしている。 容子さんは俺たちの事を知っているけど基本、 入籍していることは内密。
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