1008人が本棚に入れています
本棚に追加
そこには確かに俺の名前が載っていて、
その隣には咲穂の名前。
そう、
容子さんは俺たちを夫婦として招待してくれたのだ。
最初は咲穂だけのつもりだったらしいが容子さんが気を利かせ、
この招待状を手渡してくれたらしい。
「なんか恥ずかしいね……」
招待状に並ぶ二人の名前を見て咲穂がはにかむ。
初めての夫婦としての公の場の招待が
容子さんの式だなんて思ってもいなかった。
これで容子さんとの共通の友人に俺とのことを知られてしまう。
本当は咲穂の両親に挨拶を済ませ、
きちんとしてからの方が良いと思っていたが、
当の咲穂が喜んでいるから良いということにしておこう。
俺の隣で友人との久しぶりの再会を喜び、
そして俺との事を冷やかされ恥ずかしそうに笑う咲穂。
騒ぐ女の集団は苦手だが、
咲穂の友人のせいかな?
不思議と嫌ではなく、
しっかり愛想笑いまでしている。
容子さんは俺たちの事を知っているけど基本、
入籍していることは内密。
最初のコメントを投稿しよう!