気持ちのカタチ

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愛子が帰り、 俺たちも程なくして店を出た。 どうやら神崎は、 こうなることを薄々予測していたらしい。 でも実際その光景を目の当たりにすると後味が悪いな、 と苦笑いを溢していた。 愛子の気持ちが旦那にあると分かった時点で 二人同時の幸せの道は絶たれていた。 それでも俺は願ってしまった佐藤の幸せを。 愛子には悪いが俺は佐藤と居たほうが幸せになれるって思ったから。 あんなにまで愛されるってなかなかないことだと思う。 実質、 佐藤はどのくらいの間、 愛子に想いを寄せていたのか分からないが、 軽そうに見えて実は真っ直ぐな佐藤に俺は感動すら覚えていた。 佐藤の事を想ってか、 あれから咲穂は沈みがちで マンションに着くまで一言も口を開かなかった。 部屋に入るなり「もう寝るね」と一言残し、 さっさと寝室に消える咲穂。 俺は心配になり、 後を追うように寝室に入った。
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