気持ちのカタチ

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寝室のドアを開けた瞬間、 目の前には闇が広がっていた。 明るいリビングとのギャップに目が慣れず殆んど何も見えない。 でも住み慣れた自分の家だけに 多少見えなくても臆することなくドアを閉め 咲穂の元へと足を進める事ができた。 「咲穂どうした?」 俺はベッドの端に座ると 布団に潜り込むように頭まですっぽりと隠れたその塊に優しく触れる。 それに反応するように 咲穂の身体がビクリと反応したと思うと 「何でもないよ。 ちょっと頭が痛くなってきただけ」 聞き逃しそうなくらい小さな声が返ってきた。 でもその声は微かに震え泣いているのだとすぐに気づく。 咲穂が何でもないと言うのだからソッとしておいてやろうとも思ったが 俺には出来なかった。 俺は布団に包まる咲穂に覆いかぶさるようにして抱きしめた。 布団越しに咲穂の身体が震えているのが伝わってくる。 俺は何となく咲穂の涙の訳が分かっていた。 ――咲穂は自分のことを責めているのだと。
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