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でも、
その反面知りたくないって気持ちもある。
あんなことがあって昨日の今日で平気な人なんていない。
でも昨日、
愛子さんの事を想って電話に出るように勧めるとは思ってもみなかった。
あの時の佐藤さんに私はときめき、
同時にその時の佐藤さんの気持ちを考えると
切ないくらい胸が痛みいっぱいになった。
そして佐藤さんを愛子さんを想う気持ちの強さを思い知らされた様な気がした。
「ただいまー」
少し疲れたユキの声に私は敏感に反応し、
ついドアに駆け寄りそうになる。
でも思い直し、
途中にしていた夕飯の準備を続けた。
「お帰りなさい」
そしてリビングのドアが開くと同時に私は平静を取り繕い、
いつものようにユキを迎え入れる。
見た感じ、
いつもと変わりない様子のユキ。
軽く私に笑いかけると
ネクタイを緩めながら着替えに寝室に消えていってしまう。
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