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気になる……。
私が佐藤さんの事を気にしてると知っていながら
何も言ってこないユキ。
何もかもが“いつもと同じ”で、
つい深読みしてしまう。
さすがに私からは聞きにくく、
気にしないように普通を装うしかなかった。
でもそろそろ寝ようと立ち上がり、
リビングのテレビを消す私に
「ありがとうって……」
ユキが急にポツリと呟くように溢した。
敏感に反応し、
思いっきり振り返り見る私にユキが笑う。
決して笑顔ではないが、
その表情は柔らかい。
「ありがとう? 佐藤さんがそう言ったの?」
予想外な言葉に信じきれず聞き返す私にユキが頷く。
そして一度立ち上がった私をもう一度ソファーに座らせ、
その時の事を話してくれた。
強がりか佐藤さんはユキが思ってたより元気そうだったらしい。
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