対面

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訊いてみるが言われる前に自ら話を切り出し、 私は慌てて寝室に戻ろうとした。 「や、 そうじゃなくて」 寝室に戻ろうとする私を慌ててユキが私の腕を掴み行く手を阻む。 驚き振り返る私に 「そのままでいい……、 似合ってるから」 そう恥ずかしそうにボソッと言うと、 すぐに私を置いて部屋を出ていってしまった。 予想外なユキの言葉に私は耳を疑い、 一瞬何も考えられなくなった。 まさかユキの口から、 そんな台詞聞けるなんて思ってもいなかった。 私は沸々と込み上げてくる嬉しさを感じながらワンピースを見る。 言葉って不思議……。 さっきまではあんなに着心地悪かったのに 今はすごく自分に合っているような気がする。 ――単純な私。 ユキの言葉ひとつで、 こんなにも気持ちが舞い上がってしまうなんて……
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