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今の私にとって悪夢以外の何モノでもなく
目が覚めると嫌な汗をかいていた。
何故か私以上にユキが緊張というか、
どこかピリピリしているせいもあるだろう。
窓の方を見ると、
まだ薄暗く起きるには少し早いようだった。
ふと隣を見るとユキが、
気持ち良さそうに眠りについている。
その寝顔に私は気が休まるのを感じ、
ユキに擦り寄るように布団に横になる。
私に反応するようにユキの腕が動き、
私の身体を絡めとるように抱き寄せてくれた。
私はユキに擦り寄るように、
その腕の中に収まる。
――不思議。
ユキの体温を感じ、
ユキの寝息を感じ、
数秒前は不安と緊張で溢れていた心が
ざわついていたのに落ち着いてゆく。
眠ったらまた夢を見ちゃう気がしたけど、
ユキの体温が私の睡眠欲を誘う。
ゆっくりと……
ゆっくりと瞼が閉じ意識が遠退いてゆき、
私はまた夢の世界に戻っていってしまった。
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