対面

6/40
前へ
/40ページ
次へ
――… ―… 「……穂、 ……咲穂」 遠くから私を呼ぶユキの声が聞こえる。 でもあまりの心地よさから、 まだ目を開けたくない。 私は布団を頭までかぶり小さく抵抗を試みる。 せっかくの休み、 ゆっくりと眠りたい。 でも私の小さな抵抗も虚しく思いっきり布団を捲り上げられた。 「え? ちょっ、 何!?」 さすがに布団を捲られるなんて思ってもいなかった私は 眠気も一気にぶっ飛び、 飛び起きた。 「何って時間やばいだろ」 呆れ顔というより、 どちらかというと焦った顔のユキ。 まだ理解しきれない私の腕を引っ張り 無理やりベッドから引き離そうとする。 反射的に私は抵抗するように足を踏ん張り堪え、 布団に戻ろうと試みる。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1046人が本棚に入れています
本棚に追加