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瞬間、
私は自分の手にしている紙に目が釘付けになる。
それはわざわざ開かなくても分かる代物
――紛れもなく、
あの婚姻届だった。
私はテーブルの上に二枚の紙を並べて広げ、
何かの間違いじゃないかと食い入るように見つめるが
見間違えるわけがない。
「何で？
ユキが出してたんじゃ……」
とっくに婚姻届は受理され、
私たちはすでに戸籍上夫婦だと思っていた。
だから両親への挨拶も隠し事しているようで後ろめたさはあったが、
それが私を勇気付けていてくれていた部分があった。
友人にも式の後で種明かしをして笑い話になるんだろうな、
と勝手に想像してみたり。
それなのに、
これがここにあるということは私たちは夫婦ではないというで……
一気に頭が真っ白になりパニックになってゆく。
頭の中に言葉の単語がいくつも散りばめられているような感じで
考えがまとまらない。
でも何度見ても私の直筆で、
あの夜のもの。
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