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そして前に見たコピーされたのではなく原本そのものだった。
色んな憶測が頭を走り抜け、
私を困惑させてゆく。
これを目の当たりにして
私はユキにどう接したらいいのかさえ分からなくなってしまう。
ユキの事だから何か理由があるはず……、
そう思いたかったが、
さすがにそう思う自信が今は持ちきれない。
でも戸惑う私の耳にユキの足音が届き、
慌てて封筒に仕舞うと元あった場所に隠すように戻した。
ちょうど私が棚に封筒を仕舞いこんだとほぼ同時にドアが開く。
「咲穂? どうかしたのか?」
変な位置に立っていたせいか、
それとも異変を察知したのか、
濡れた頭を拭きながら不思議そうに私に近づいてきた。
一瞬、
封筒を仕舞うのを見られたのかと思い、
かなり動揺してしまったが、
さり気なく背に引き出しを隠すように移動し
「どうかしたって……
別に何もないけど何で?」
平静を装いながら聞き返してみる。
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