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私の様子に何か気づいているのか、
それともただ単に気になって聞いてきたのか分からないが、
私は気が気ではない。
「いや、
さっき誰か来たみたいだったし、
何かバタバタ煩かったから」
ユキの答えにホッとしたが、
私の心臓は治まることなくバクバクいっている。
「あ、
荷物届いたのよ。
そういえば誰からだったのか見るのを忘れてた」
気づかれていないと分かり、
私はその場を離れ
届いた荷物が置いてあるテーブルへと移動する。
「荷物?
……
判子!
判子の場所って……」
ユキの視線が私の後を追うように移動したと思うと、
急に驚きの声を上げ私を食い入るように見てきた。
ユキの動揺ぶりに、
私の脳裏にあの婚姻届が横切ってしまった。
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