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それとも……
いつもと変わらぬ咲穂の様子からして、
まだ見つけていないような気がする。
どちらかというと、
その方が俺にとって都合が良い。
別に後ろめたいことはないが、
咲穂の目に止まったからといって言い訳がましく話したくないし、
咲穂に変な誤解だけはしてほしくなかった。
別に緊張するようなことでもないのに、
いざ話をしようと思うと妙に心拍数が上がりだす。
「咲」
「そういえば佐藤さん元気？
あれから名前も聞かなくなったけど……」
間の悪いことに俺が話し出そうとした矢先に
咲穂も同時に話し出してしまった。
「ああ、
多分な。
でも元々、
他人に弱みを見せるのが嫌いなやつだから」
タイミングを逃し、
動揺しながら咲穂の問いに答える。
あれから佐藤は特に俺を避けることもなく、
変に普通に接してくる。
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