小さな落とし穴

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やっと肩の荷が下りたというか一息つくことが出来た。 ずっと胸の奥に引っ掛かっていたモノが取れて 気持ち的に清々しさを感じていた。 両家の挨拶が済めばバタバタと事が進んでいくとはよく聞くが、 想像以上で驚かされている。 あれ以来、 母さんからたまに電話が来るようになった。 勿論お目当ては俺ではなく咲穂。 嬉しい事に咲穂の事を気に入ってくれたようだ。 咲穂も母さんと気が合うのか、 それとも気に入ってもらえているのが嬉しいのか、 いつも飽きもせずニコニコとその電話に付き合っている。 自分の親と上手くいってることはすごく喜ばしいが、 母さんの長電話で 咲穂との時間が割かれてしまっているのが気になるところ。 それでも幸せで穏やかな時間。 大袈裟かもしれないが、 今までで一番幸せを噛みしめているように思えた。 もうこのまま結婚まで一直線に進んでくものだと、 障害なんて無いと思っていた。 それなのに、 まさかあんなことで咲穂との間に影を落とすことになるなんて 思ってもいなかった。
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