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今までこんな風に言われたことがない私にとっては嬉しいが
逆に照れくさく感じてしまった。
言った当のユキも照れくさいのか、
少しバツ悪そうな顔をしている。
「だってユキのお母さんと仲良くなりたいもの」
照れながら返す私に
「分かってる」と微かに笑いながら答えると
私をソッと抱き寄せた。
私はユキの体温と鼓動を感じながら心地よさに目を瞑り、
ユキの背に手を回す。
ユキの腕の中で今の幸せを実感しているとユキの手が怪しく動き出し、
首筋に顔を埋めてきた。
和やかなムードから一変して私の服を脱がしにかかろうとするユキに驚くが
そのまま流されるように私は身を委ねる。
私の上に覆いかぶさるようなユキの重みを感じ、
気づくと背にソファーのスプリングの感触がした。
「咲穂……」
ユキは首筋から唇を離すと私を見つめ、
甘く切なげに囁くように私の名を口にした。
確かにユキの言うとおり、
同じ部屋に居ながらユキと過ごす時間は少なかったかもしれない。
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