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一人になったリビングで私は“まんまと、してやられた感“に苛まれ
ソファーに八つ当たり。
でも虚しいだけで
一度は火照りだした身体の熱もスっと引いていくのを感じた。
「別に待ってないもん……」
ユキが居なくなったソファーに待つように座る自分に
言い聞かせるように言うと立ち上がり冷蔵庫に足を向けた。
そして水で喉の渇きを潤すと、
やっと落ち着きを取り戻すことができた。
さて、
ユキがお風呂から上がるまで、
どこに居ようか。
普通にソファーでテレビでも見ていればいいのだろうが、
それも何か待っていたみたいで嫌。
部屋を無意味に見渡していると不意にインターフォンが鳴った。
相手を確認すると見覚えのある宅配便の制服を着た人がいた。
「今、
開けます」
私はオートロックを解除し中に入ってきてもらう間に判子を探す。
前にリビングの端にある棚の引き出しに入っているとユキから聞いてた。
どの引き出しに入っているのか思い出せず
私は上から順に開いて探してゆく。
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