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「今すぐにでも話したいところだけど、
会社に遅れてしまいそうだから夜な。
きちんと話したいから……」
俺の言葉に咲穂は時間を確認すると顔色を変え
「分かった、夜ね」
と念を押し、
二人して慌てて用意しだした。
*
気になって……
気になって……
仕事もどこか上の空で、
早く時間が経って欲しいと時計ばかり見てしまった。
決してユキを信じていないって訳じゃない、
信じている。
信じているからこそ、
早く事実を知りたいと思ってしまうもどかしさに
私は苛まれていた。
本当は会社なんて遅刻してもいい!
なんて一瞬、
社会人に有るまじきことを思ってしまった。
が、
私が急かすことでユキを信用していないんだと思われたくなかったし、
きちんと話してくれると言った言葉を信じ
変に答えを急かすのを止めた。
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