真実

8/15

542人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「ごめん! 遅くなって」 ドアを開けたと同時に私は謝りの言葉を口にする。 でもユキはすっとんきょうな顔をして見返してきて 私は肩透かしを食らった感じ。 「お帰り、 珍しく遅かったんだな」 普通にテレビを見ながらソファーで寛(くつろ)ぎながらユキが尋ねてきた。 「うん、 急に打ち合わせが入って……。 急いで帰ってきたんだけど遅くなっちゃった」 あまりにも普通のユキに戸惑いながら 自分だけ動揺を見せることもできず、 普通を装いながら答える。 「そっか、 とりあえず着替えてくれば?」 ユキの言葉に「そうする」と答えると 着替えるために寝室へ足を向けた。 いつ切り出してくる? この場合、 着替えたら普通にご飯を作ればいい?  特に何も言ってこないユキに私の頭の中は、 かなり戸惑い気味だった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

542人が本棚に入れています
本棚に追加