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「ごめん! 遅くなって」
ドアを開けたと同時に私は謝りの言葉を口にする。
でもユキはすっとんきょうな顔をして見返してきて
私は肩透かしを食らった感じ。
「お帰り、
珍しく遅かったんだな」
普通にテレビを見ながらソファーで寛(くつろ)ぎながらユキが尋ねてきた。
「うん、
急に打ち合わせが入って……。
急いで帰ってきたんだけど遅くなっちゃった」
あまりにも普通のユキに戸惑いながら
自分だけ動揺を見せることもできず、
普通を装いながら答える。
「そっか、
とりあえず着替えてくれば?」
ユキの言葉に「そうする」と答えると
着替えるために寝室へ足を向けた。
いつ切り出してくる?
この場合、
着替えたら普通にご飯を作ればいい?
特に何も言ってこないユキに私の頭の中は、
かなり戸惑い気味だった。
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