1622人が本棚に入れています
本棚に追加
「うん、
咲穂がいい。
いや、
俺が咲穂じゃなきゃダメなんだ」
ユキの言葉がじんわりと私の心に浸透するように温かくする。
「私もユキじゃないとダメ」
ユキの言葉がすごく嬉しくて、
胸がいっぱいになってゆく。
いつもは意地っ張りでひねくれ者の私の心を素直なものにしてゆく。
すごいな、
って思った。
好きな人の言葉がこんなにも私を変えてしまうなんて思わなかった。
目を瞑り幸せを噛みしめるように浸っていると
「絶対に幸せにするから。
いや、
一緒に幸せになろうな」
止めを指すようなユキの甘い言葉に一度は止まった涙が、
また込み上げ頬を伝い出した。
「うん、
一緒に幸せになる……」
嬉しさに声が震え、
せっかくの言葉も絞り出すような情けないものとなってしまった。
?
最初のコメントを投稿しよう!