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「酷い顔」
泣き止まない私をユキは嬉しそうに茶化す。
そんなこと言われなくても分かっているが、
改めて言われると恥ずかしい。
あんな素敵な言葉をくれたのに
私ときたら泣いているだけで格好悪いにも程がある。
でも私の泣き顔を見て楽しんでいるユキも少し意地悪だと思う。
ワザと私の羞恥心を煽る様なことを言って完全に楽しんでいる。
「見ないでよ」
ユキから顔を背け見えないように小さな抵抗をするが
「やだ、
もっと見たい。
見せて……」
ずっと握っていた手を離し、
私の頬を包むと背けた顔を自分の方に戻す。
ユキの言葉が優しく、
妙に艶っぽく感じ私の胸を高鳴らせてゆく。
「うそ、
全然酷い顔じゃない。
可愛い……」
そして私を引き寄せると耳元で甘く囁き抱きしめた。
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