らいらららいら

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人にその職業を告げられない叔父の方が、それすらろくに持たない父よりもずっとあたしに優しく、時に厳しく教えてくれるのだから世の中は時々間違っていると思う。 そんな父と同様なろくでなし具合の母も母だと思うが、今更もうあれこれ言う気にもならない。 玄関脇に貼り付けた鏡にその身を、輪郭をうつしながらあたしは胸をはった。 大きく突き出た胸元と、その下のくびれについては母に似たのだから良しとしよう。
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