らいらららいら

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家の中にあるもので、きれいな物なんて一つもない。 みんな誰かのお手つきで、あたしだけの、あたしの名前を書き込める物なんてここには一つとして存在しない。 インスタントコーヒーのオマケで付いてきた赤いマグカップを両手に抱き包みながらあたしはテーブルに置いたその端に歯をつけて目の前で繰り広げられている父と母の日常茶飯事の倦怠口喧嘩を眺めた。
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