585人が本棚に入れています
本棚に追加
今日は実践・・・出口が見えた。
階段の入り口に辿りついて、ノブを回す。
あれっ?鍵が掛かってる。いつも開いてるのに。
「俺が締めておいたよ。昔よりすばしっこくなったな」
二人がかりで壁に押さえつけられた。飯塚クンは僕の顎を上に向けた。
「なんかこの頃、やけに色っぽいんだよな。男のくせになまッちょろい奴だとは思ってたけど、女の代わりにしてやってもいいかな」
飯塚がキスをしようとする、必死に顔をそむける。
「往生際が悪いぞ」
ニヤニヤ笑いながら他の二人が顔を固定する。
「やだ・・・やめろ!」
「男を誘うフェロモンでも出してんじゃねぇの?」
気持ち悪い・・・ヤダ・・・やめろ!こたクン・・・や・・・こたクン!
「てめぇら、何してんだよ」
飯塚の襟を掴んで跳ね飛ばした黒い影。
「わぁぁ・・・・逃げろっ!」
三人は一目散にいなくなった。聞き覚えのある声・・・涙が・・・止まらない。
「ゆき、他の男に触らせるんじゃねぇよ」
「こ・・・こたクン」
「また、こたクンか・・・」
「ア・・・ごめんなさい」
「ゆき」
抱きしめられていた。夢に見たこたクンの腕の中。もう・・・涙で滲んでよく顔が見えない。そのまま唇を塞がれた・・・甘い・・・。
飯塚にされそうになった時、あんなに気持ち悪かったのに・・・こたクン・・・身体の芯が蕩けそうだよ。
「んん・・・ふ・・・・ん・・・」
こたクンはしばらく僕を貪った。躰の中心も熱くなる・・・おかしくなりそう。窒息寸前でやっと離してくれた。
「あんな奴らに捕まるなんて・・・甘いぞ」
「こたクン・・・本当にこたクン」
「帰って来た」
「おかえり、待ってたよ」
「また色っぽくなりやがって・・・だからあんなのに狙われるんだ」
こたクンは、ヒョイとお姫様だっこする。
そのまま階段のすぐ下の美術準備室に連れて行き、僕を下ろした。ネクタイを抜きシャツのボタンを外し始める。
「こたクン・・・や・・・学校だよ・・・」
「構わねぇ・・・欲しい」
「んん・・・・」
僕の意見はこたクンの唇に奪われた。
最初のコメントを投稿しよう!