虎太郎の決意

3/13
前へ
/56ページ
次へ
今日は実践・・・出口が見えた。 階段の入り口に辿りついて、ノブを回す。 あれっ?鍵が掛かってる。いつも開いてるのに。 「俺が締めておいたよ。昔よりすばしっこくなったな」 二人がかりで壁に押さえつけられた。飯塚クンは僕の顎を上に向けた。 「なんかこの頃、やけに色っぽいんだよな。男のくせになまッちょろい奴だとは思ってたけど、女の代わりにしてやってもいいかな」 飯塚がキスをしようとする、必死に顔をそむける。 「往生際が悪いぞ」 ニヤニヤ笑いながら他の二人が顔を固定する。 「やだ・・・やめろ!」 「男を誘うフェロモンでも出してんじゃねぇの?」 気持ち悪い・・・ヤダ・・・やめろ!こたクン・・・や・・・こたクン! 「てめぇら、何してんだよ」 飯塚の襟を掴んで跳ね飛ばした黒い影。 「わぁぁ・・・・逃げろっ!」 三人は一目散にいなくなった。聞き覚えのある声・・・涙が・・・止まらない。 「ゆき、他の男に触らせるんじゃねぇよ」 「こ・・・こたクン」 「また、こたクンか・・・」 「ア・・・ごめんなさい」 「ゆき」 抱きしめられていた。夢に見たこたクンの腕の中。もう・・・涙で滲んでよく顔が見えない。そのまま唇を塞がれた・・・甘い・・・。 飯塚にされそうになった時、あんなに気持ち悪かったのに・・・こたクン・・・身体の芯が蕩けそうだよ。 「んん・・・ふ・・・・ん・・・」 こたクンはしばらく僕を貪った。躰の中心も熱くなる・・・おかしくなりそう。窒息寸前でやっと離してくれた。 「あんな奴らに捕まるなんて・・・甘いぞ」 「こたクン・・・本当にこたクン」 「帰って来た」 「おかえり、待ってたよ」 「また色っぽくなりやがって・・・だからあんなのに狙われるんだ」 こたクンは、ヒョイとお姫様だっこする。 そのまま階段のすぐ下の美術準備室に連れて行き、僕を下ろした。ネクタイを抜きシャツのボタンを外し始める。 「こたクン・・・や・・・学校だよ・・・」 「構わねぇ・・・欲しい」 「んん・・・・」 僕の意見はこたクンの唇に奪われた。 image=477752512.jpg
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

585人が本棚に入れています
本棚に追加