知的障害者とは?

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知的障害と自閉症 「自閉症」という障害は、知的障害があるもの(狭義の自閉症)と、知的障害がないもの(高機能自閉症・アスペルガー 症候群。いわゆる高機能PDDと称される)に便宜的に分類されているが、 その他の関連した障害を含めて自閉症スペクトラムという連続した障害と捉えることがかつて提案された。広汎性発達障害(厳密には、知的障害のないものについて は、高機能広汎性発達障害(いわゆる高機能PDD)となる)という用語がほぼ同義語として機能している。知的障害は、知能面の全体的な障害であり、自閉症の本質であるコミュニケーション障害は、対人関係面を主とした障害である。昔から知 られている種類の自閉症は狭義の自閉症のことであるが、 これはコミュニケーション障害と知的障害が合わさったものである。近年知られてきた種類の自閉症である高機能自閉症は、コミュニケーション障害のみであり、知能指数の全体平均 は知的障害の域に達しない。しかし、知能指数を要素別に計測すると、各要素間に大きな差が見られる。 ただし、DSM-5では(カナー型)自閉症、 アスペルガー症候群、高機能自閉症、特定不能の広汎性発達障害の4つを包括し、自閉症スペクトラムと規定された。 知的障害と学習障害 学習障害(LDのこと。厳密には、 学習障害というよりも、主に読み書きの障害であるディスレクシアとするのが正確とされる)は、読み・書き・計算など学習面に困難があるが、会話能力・判断力などの知能の他の面では障害がない(そもそ も、LDの定義の中に「知的遅れがない」 とされている)。知的障害の場合は、学習面も含めて、知能面など全般的に問題がある。
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