知的障害者とは?

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生理的要因 特に知能が低くなる疾患があるわけではないが、たまたま知能指数が低くて障害とみなされる範囲(IQ69または75以 下)に入ったというような場合。生理的要因の知的障害がある親からの遺伝や、知的障害がない親から偶然に知能指数 が低くなる遺伝子の組み合わせで生まれたことなどが原因である。合併症はないことが多く、健康状態は良好であるこ とが多い。知的障害者の大部分はこのタイプであり、知的障害は軽度・中度であることが多い。「単純性精神遅滞」な どともいう。 心理的要因 養育者の虐待や会話の不足など、発育環境が原因で発生する知的障害。リハビリによって知能が回復することもある。 関連用語に「情緒障害」がある [8] 。また、離島や山岳地帯や船上などの刺激が少ない環境で成育した児童の場合も、IQが 低い場合が多い(知能指数#生活環境参照)。IQテスト自体○や△など抽象的な図柄を見分けるといった文明社会に馴染ん だ者にとって有利な問題となっている。従って、都会生活を経験したことのない先住民族などには不利な評価が下され ることになる。 知能による分類 基本的には、知能指数が100に近い人ほど人数が多い。しかし、知能指数の種類によっては最重度まで正確な存在数比率を 出せない場合もある [9] 。 教育の分野では、軽度の生徒を「教育可能」、中度の生徒を「訓練可能」と分類する。医学的に考えると精神年齢は12歳 以下と推定される(厚生労働省などの発表)。 ボーダー(境界域) 知能指数は70 - 85程度。知的障害者とは認定されない。 軽度 知能指数は50 - 69程度。理論上は知的障害者の約8割がこのカテゴリーに分類されるが、本人・周囲とも障害にはっきり と気付かずに社会生活を営んでいて、障害の自認がない場合も多いため、認定数はこれより少なくなる。生理的要因に よる障害が多く、若年期の頃では健康状態は良好。 中等度(中度) 知能指数は35 - 49程度。合併症が多数と見られる。過半数の精神年齢は小学生低学年程度。 重度 知能指数は20 - 34程度。大部分に合併症が見られる。多動や嗜好の偏りなどの行為が、問題になっている。概ね精神年 齢は4歳児程度しかない。
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