擬人化家電.1

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洗濯機  姉さんの嫁。  電動機でドラムを回転、逆回転させて、内容の衣類を揉んだり、かき混ぜたり、こすったりして汚れを落とす機械。汚染溶媒に水や洗剤を使う。  半自動や洗いから脱水まで行う全自動がある。脱水槽が別になっているものは電動機の力が強く、丈夫であるためガソリンスタンドや業務用に使われる。  上から衣類を出し入れする撹拌型と横から出し入れする回転型がある。撹拌型は少ない衣類量でもある一定量の水を必要とする。回転型は少ない水と洗剤量で洗えるが大きい床面積が必要である。  さて、今日はお医者さんごっこでいこうかな。  ここは学校の保健室、養護先生がいないあいだに誰かと誰かがシーツにイタズラしちゃったみたい。  センタッキー先生「うーん、塩葺いちゃってるね。いま粉石けんしかないから、まず水ですすがうね。」  石けんはカルシウム、マグネシウム塩濃度が高いと石けんかすになって洗浄力を失うよ。  でも、イタズラでついた塩は炭酸ナトリウムだからあんまり関係ないよ。水をかぶせて透け透けになったところを見たかっただけだよ。  「さあ、つぎは汚れに石けんを塗ってあげやうね。」  先生は汚れたところをヌルヌルした手で揉んだり、はさんだり、つねったり。  あらあら、シーツを洗濯槽に入れたら、壁に押し付け、こすり始めちゃったよ。  「ぃやッ、やめて下さいッ、そんな恥ずかしいことしないデぇえぁン!?」  シーツはボロボロと糸くずやホコリの涙を流した。  先生はホコリ取りの舌でそれを嘗めとる。  「恥ずかしくなあいね。キミはキレイになるんだあね。」  入れ忘れた粉石けんをふりかける。  その状況は正に洗脳、そして実際にキレイになるから始末が悪い。  汚水を捨てて水を注ぎ込み、を二三度繰り返し、汚れも頭も真っ白になる。  「仕上げだあね。」  シーツを脱水槽に移し替えて激しくかき回す。  物干し棹に干されたシーツはポツリとつぶやく。  また誰か汚しに来ないかなぁ?  あとで用務員さんにバレて、センタッキー先生はゼンジドー先生に替わりましたとさ。  センタッキー先生が用務員さんを抱き込もうとするのが悪い。
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