第1章 プロローグ

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休憩後、法廷室に人が入り審議が再開され、裁判長が検事にある提案を出した 「検事…そのレコーダーには、個人情報が入っているのでしたね?」 検事は彼の主旨を読み取り 「はい…然し、ここでお聞かせする事は出来ません…裁判長と陪審員代表と弁護士の3人でしたら…被害者には既に許可を貰ってます……その代わり、こちらのコピーレコーダーを証拠として、提出する事を了承して下さい」 又、裁判長は2名裁判官と話し合い 「承知しました…証拠として認めます…別室で聞きましょう…他の方々はここで待って下さい……出る事は許しません」 裁判長と弁護士は立ち上がり、陪審員の代表は幾らか年上の陪審員を、裁判長が決めた 隣の法廷室を借り、検事が一言 「個人情報なのはお解りですね?………ここで聞いた内容は、他言無用で願います」 3人が頷くと、検事はレコーダーのスイッチを入れた 暫く沈黙が続いたが 「………………これは、遺言になるかもしれません…20XX年10月20日…………私…青柳遥香は……一子…青柳陽輝を…」 静かな法廷室に、凜とした女性の声が響く その声は、何かを決心し、何かを覚悟しているかの様に聞こえた…… ………
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