第1章 プロローグ

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△△県地方裁判所      第3法廷室 その法廷室は、異様な雰囲気に包まれていた 裁判官・検事・弁護士・陪審員・被告人達・傍聴席の者達 その場に居る、全ての者達の顔色が悪い 唯一、声を発する『モノ』 ICレコーダーから聞こえる、女の悲鳴と男達の嘲笑の声 悲鳴が途絶えると後は男達の声 残酷な音がする 傍聴席の者達は耳を塞いだ くぐもった悲鳴が聞こえた後、男達の声が笑いながら遠ざかていった レコーダーのスイッチが切られると、検事の声が室内に響く 「このICレコーダーを証拠として提出します…然し、中の声と音は元のレコーダーのコピーです…このレコーダー自体も、被害者が持っていた物と同型です」 陪審員席と傍聴席がざわつき、裁判長が机に腕を乗せて頭を傾げた 「検事…それは何故ですか?…コピーだと、検事が改竄(かいざん)したと思われても仕方ないですよ?」 「そう言われると思って、被害者のレコーダーを持って来ました…ですが、この中には個人情報が入っている為、全てをお聞かせ出来ません…なのでコピーのICレコーダーを証拠として提出します!」 裁判長は、両隣の裁判官と話し合い 「10分の休廷とします!」
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