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女性は頬に手をあて
「そうだよねぇ…首の据わってない赤ん坊を預かるなんて、恐くて出来ないよ…況してや他の子も居るんだし……3ヶ月まで、家の中でやってみたらどうだい?……そうか、親御さんに預けるとか」
美沙子は顔を横に振り
「私と奎ちゃんに親は居ない…とうの昔に死んでるんだ」
女性は申し訳なさそうな顔して
「そうかい…ゴメンよ……昼間の定食屋か…じゃ昼間…定食、食べに行っていいかい?……あんたン所の料理、美味しいんだよ……家のご飯みたいでさ」
話を変えて女性の顔が綻び、更に赤ん坊の世話をすると言う
美沙子は驚き
「駄目だよ…お姐さん……お姐さんも忙しいんだからさ!…生活習慣が崩れるよ!」
2階から、赤ん坊の泣き声が聞こえ始め、女性と美沙子は2階を見上げた
「…ああ…長話をしちゃったね……遥香ちゃんに、お乳をあげに行っといでよ?」
「少し泣かせておくよ…そうすれば、元気よくお乳を飲むし、よく眠ってくれる」
それでもで心配気に見る女性
「あんたはそうでも、私は心配しちゃうわ…行っといで」
掌を振って美沙子を促し、彼女は申し訳なさそうな顔をして
「そお?……じゃ、お乳をあげてくる」
そう言って店の中に入り、階段を上がる音がした
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